2020年度事業報告

  1. 事業規模の概要
     居宅介護支援部門の契約利用者総数は、期首(2020年4月1日)現在214人が期末(2020年3月31日)には273人と、年間59人の増でした。訪問介護部門は期首119人が期末には161人と42人の増となりました。居宅介護支援部門は2018年度の増員が引き続き効果を上げ、訪問介護部門も内部の書類整備やサ責業務の充実に注力しつつ、居宅サービスの質向上を目指した結果が数字に亜r割れたと考えています。
     寿地区で暮らす介護を要する方々が、笑顔で幸せに暮らせるよう、どんな利用者にも対応する事業所、対応できる事業所を目指すことぶき介護の姿勢が、地域の利用者・事業者の皆様に信頼していただけるよう、引き続き努力します。
  2. 介護保険法に基づく訪問介護サービス・横浜市訪問介護相当サービス事業
    年間で延べ1,665人(2019年度は1,535人)の利用者に介護保険制度の訪問介護サービスを提供しました。
    事業計画の目標(1,680人)を若干下回りましたが、職員一同健闘しました。この1年も、地域包括支援センターや福祉事務所の依頼には積極的に対応し、要支援の方々へのサービスが一段と増えました。認定申請前の緊急性の高いヘルパー派遣要請に柔軟に対応するケースや、緊急の通院付き添いなど、ケアマネ兼任のヘルパーが対応するなど、きめ細かなサービスを実施しました。
  3. 障害者総合支援法に基づく居宅介護事業並びに地域生活支援事業
     障害者総合支援の居宅介護サービスの利用者は、延べ235人(2018年度274人)でした。また、横浜市地域生活支援事業(移動支援)は、年間延べ42人(同69人)の利用があり、どちらも前年度よりやや件数は少なくなりました。地域生活支援事業については年度途中に従事した介護職員の資格に誤りを発見し、過去にさかのぼって請求を取り下げたため、年間の実績額は大幅に減少しました。
  4. 介護保険法に基づく居宅介護支援事業、
    年間を通じ延べ2,693人の介護保険ケアプラン(予防を含む)に対応し、事業計画の目標(年間2,520件)を達成しました。2018年10月以降のケアマネジャー増員3人の体制で域ニーズに対応し、訪問介護サービスを他事業所へ依頼する比率が拡大しました。
    一方、訪問介護事業所と居宅介護支援事業所が同一の事業所であるメリットを生かし、毎日の情報交換を通じてサービス提供責任者と情報共有し、利用者像の変化に機敏に対応しサービス量、ケアプランの見直しに活かしてきました。
  5. 障害者総合支援法に基づく計画相談支援事業
    2018年11月横浜市の事業指定を受け、相談支援事業を本格的に開始、事業対象地域を寿地区とし、他区に居住する利用者について、徐々に他の計画相談支援事業所への引継ぎを行い、2020年度末の利用者数は30人となりました。
  6. 職員の業務能力の向上
    無資格者を積極的に採用し、受講料を事業所が負担して初任者研修に派遣しています。修了後は職員が訪問に同行して現場研修を行い、訪問介護員として働いていただきます。2020年度は3人採用し、うち2人は訪問介護事業経験者、新人は1人でした。全員が2021年度のスタッフとして活躍しています。
    ことぶき介護業務マニュアルの整備、動画による介護技術研修を日常的に開催しました。特にユマニチュードの動画視聴は職員の評価が高く、繰り返し視聴しています。
    採用から5年未満の職員には、主任等による同行訪問を通じてOJTを行い、初任者研修の内容が確実に身につくよう支援していますが、該当者全員の同行には至りませんでした。実務者研修受講費用も事業所が支援し、今期は該当者2人が研修を修了しました。今後増加が予想されるオンライン研修に対応できるよう、職員に一人1台のノートパソコンを確保しました。
    介護福祉士国家試験受験対策として、業務終了後、受験予定者の自主的な受験勉強を支援しています。当事業所の賃金体系が資格とともに昇格する仕組みとなっているため、職員の能力向上と生活の向上のどちらも併せて支えることを方針とし、支援を実践し、2020年度は2人が合格しました。
  7. 事業実施のための体制と職員の労働条件
    (1) 人員体制
     2019年度末は職員数33人でしたが、子育て支援時間短縮職員、体調不良のための短時間勤務職や欠勤等を支えつつ、3人の採用と1人の退職を経て、年度末35人(常勤換算職員数29.6人)を確保しました。契約中の利用者へのサービス提供にほぼ見合った職員体制でした。職員の年間平均有給休暇取得率は43.2%(2019年度45.4%、繰り越し保有年次休暇を含む)、2020年度に新たに付与した有給休暇の取得率は72.8%でした。2019年度の取得率を若干下回りましたが、特別休暇(介護休暇、子の看護休暇、服忌休暇、)の利用も含め、職員が休みやすい職場づくりに努力しました。
    ① 訪問介護
     年次有給休暇取得にしわ寄せしないよう、毎月の実績速報で稼働職員数、業務量と職員数のバランスを確認し、無理な体制に陥らない運営を心がけました。サービス提供責任者が訪問介護サービスを兼務するため、日々のスケジュールの中に作責業務の時間を割り振るよう、年間を通じて努力しました。また、サービス提供責任者の打ち合わせ・研修を勤務時間内に実施し、充実させることができました。
    ② 介護支援専門員
     ことぶき介護の介護支援専門員は、訪問介護員との兼任を基本としていますが、2020年度も、訪問介護員業務を極力圧縮し、介護支援専門員業務時間を確保しました。一方、訪問介護員の人数がひっ迫する日には利用者の通院や緊急入院時の付き添い等の応援に入るなど、兼務を生かした柔軟な対応で訪問部門をサポートし、結果として利用者へのしわ寄せを食い止める役割を果たしました。2020年3月に1人新規採用した結果8人体制となり、事業計画達成につながりました。このため、2021年度は新規採用は行いませんでした。
    (2) 労働条件改善による働きやすい職場づくり
    ことぶき介護では、職員が安心・納得できる労働条件が利用者へのサービスの質を支える、と考え今年度も取り組みました。
    ① 賃金改善
    2019年4月、10月と2回の大幅な賃金改善の実施を受け、2020年度は制度的な賃金改善は行いませんでした。年間を通じて週32時間以上の勤務実績のあった職員27人中20人が400万円を超える年収となりました。賞与の支給実績は年間4.5ヶ月超でした。
    ② 労働時間の多様化に対応
    持病、体調不良、育児、介護等、やむを得ない事情で週5日40時間勤務が困難な職員に対応するため、一日の勤務時間の短縮や週の勤務日数減に2020年度も継続して対応しました。時間当たり賃金は40時間勤務者と同一、正規雇用契約のまま多様な勤務時間を受け入れています。
    今年度の短時間勤務者は、8時間週4日勤務から4時間週1日勤務までと幅があり、人数は13人と、年度末職員総数35人の37.1%を占めました。利用者のニーズに対応するため、日々の稼働職員確保は事業展開の必須条件ですが、サービス提供に従事する職員側の事情にも配慮することで13人の職員の勤務を継続することができました。今期は男性介護職員が6か月間の育児休業を取得することもできました。今後も仕事と生活のバランスを重視し、条件があれば働ける方を引き続き受け入れていく方針です。