2019年度事業報告

  1. 事業規模の概要
     居宅介護支援部門の契約利用者総数は、期首(2019年4月1日)現在197人が期末(2020年3月31日)には214人と、年間17人の増でした。訪問介護部門は期首128人が6月には137人に増加しましたが、その後漸減し、期末には119人と9人の減となりました。
    居宅介護支援部門は2018年度の増員が効果を上げた結果です。一方訪問介護部門は内部の書類整備に重点的に取り組み、サ責業務の質向上に比重を置き、やみくもに利用者数を伸ばすことに注力するよりは、サ責業務の充実を図り、サービスの質向上を目指した結果です。
     寿地区で暮らす介護を要する方々が、笑顔で幸せに暮らせるよう、どんな利用者にも対応する事業所、対応できる事業所を目指すことぶき介護の姿勢が、引き続き地域の利用者・事業者の皆様の信頼を築けるよう、引き続き努力します。
  2. 介護保険法に基づく訪問介護サービス・介護予防訪問介護サービス事業
    年間で延べ1,535人(2018年度は1,350人)の利用者に介護保険制度の訪問介護サービスを提供しました。(訪問介護1,400人、介護予防訪問介護を含む地域生活総合支援135人)でした。
    事業計画の目標(1,440人)を大幅に上回り、職員一同健闘したと評価できます。この1年も、地域包括支援センターや福祉事務所の依頼には積極的に対応し、地域のニーズに対応できる事業所を目指し活動しました。認定申請前の緊急性の高いヘルパー派遣要請に柔軟に対応するケースや緊急の通院付き添いなど、ケアマネ兼任のヘルパーが柔軟に対応するなど、きめ細かなサービスを実施しました。
  3. 障害者総合支援法に基づく居宅介護事業並びに地域生活支援事業
     障害者総合支援の居宅介護サービスの利用者は、延べ274人(2018年度303人)でした。また、横浜市地域生活支援(移動支援)は、年間延べ69人(同82人)の利用がありどちらも前年度よりやや件数は少なくなりました。訪問介護全体の18%を占めています。
  4. 介護保険法に基づく居宅介護支援事業
    年間を通じ述べ2,448人の介護保険ケアプラン(予防を含む)に対応し、事業計画の目標(年間2,340件)を達成しました。2018年10月以降のケアマネジャー増員3人の体制で域ニーズに対応し、訪問介護サービスを他事業所へ依頼する比率が拡大しました。
    一方、訪問介護事業所と居宅介護支援事業所が同一の事業所であるメリットを生かし、毎日の情報交換を通じてサービス提供責任者と情報共有し、利用者像の変化に機敏に対応しサービス量、ケアプランの見直し活かしてきました。
  5. 障害者総合支援法に基づく計画相談支援事業
    2018年11月横浜市の事業指定を受け、相談支援事業を本格的に開始しました。事業対象地域を寿地区とし、他区に居住する利用者について、徐々に他の計画相談支援事業所への引継ぎを行い、2019年度末の利用者数は29人となりました。今後は新たな利用者に門戸を開き寿地区内の障碍者ニーズへの対応を強化する予定です。
  6. 職員の業務能力の向上
    無資格者を積極的に採用し、受講料を事業所が負担して初任者研修に派遣しています。修了後は職員が訪問に同行して現場研修を行い、訪問介護員として働いていただきます。今年度は2人採用し2人とも定着でき、2020年度のスタッフとして活躍できています。
    ことぶき介護業務マニュアルの整備、動画による介護技術研修を日常的に開催しました。特にユマニテの動画視聴は職員の評価が高く、繰り返し視聴しています。
    採用から5年未満の職員には、主任等による同行訪問を通じてOJTを行い、初任者研修の内容が確実に身につくよう支援していますが、該当者全員の動向には至りませんでした。実務者研修受講費用も事業所が支援しますが、今期は該当者2人実務者研修に申し込み該当者の事情で中断していますが、2020年度に繰り越して受講を継続します。
    介護福祉士国家試験受験対策として、業務終了後、受験予定者の自主的な受験勉強を支援しています。当事業所の賃金体系が資格とともに昇格する仕組みとなっているため、職員の能力向上と生活の向上のどちらも併せて支えることを方針とし、支援を実践しています。
  7. 事業実施のための体制と職員の労働条件
    (1) 人員体制
     2018年度末は職員数30人でしたが、子育て支援時間短縮職員、体調不良のための短時間勤務職や欠勤等を支えつつ、8人の採用と5人の退職を経て、年度末33人(常勤換算職員数28.4人)を確保しました。契約中の利用者へのサービス提供にはほぼ見合った職員体制でした。職員の年間平均有給休暇取得率は45.4%(繰り越し保有年次休暇を含む)、2019年度に新たに付与した有給休暇の取得率は72.8%でした。2018年度の取得率を若干下回りましたが、特別休暇(介護休暇、子の看護休暇、服忌休暇、)の利用も含め、職員が休みやすい職場づくりに努力しました。
     ① 訪問介護
     年次有給休暇取得にしわ寄せしないよう、毎月の実績速報で稼働職員数、業務量と職員数のバランスを確認し、無理な体制に陥らない運営を心がけました。年度後半利用者が減少した時間を活用し、サービス提供責任者の打ち合わせ・研修を充実させることができました。
     ② 介護支援専門員
     ことぶき介護の介護支援専門員は、訪問介護員との兼任を基本としていますが、2019年度も、訪問介護員業務を極力圧縮し、介護支援専門員業務時間を確保しました。一方、訪問介護員の人数がひっ迫する日に利用者の通院や緊急入院時の介助等の応援に入るなど、兼務を生かした柔軟に対応で訪問部門をサポートしました。結果として利用者へのしわ寄せを食い止める役割を果たしました。年間を通じて求人活動を継続し、2020年3月に1人新規採用することができました。
    (2) 労働条件改善による働きやすい職場づくり
    ことぶき介護では、職員が安心・納得できる労働条件が利用者へのサービスの質を支える、と考え今年度も取り組みました。
     ① 賃金改善
     2019年4月には基本賃金を一律月額3,000円引き上げ、2019年10月には賃金表の大幅改善を実施し介護福祉士職を中心に全体の底上げを行いました。また、役職手当、職務手当(ケアマネ手当、サ責手当)の改善も行いました。
     ② 労働時間の多様化に対応
     持病、体調不良、育児、介護等、やむを得ない事情で週5日40時間勤務が困難な職員に対応する、勤務時間の短縮や3~4日勤務を2019年度も継続しました。時間当たり賃金は40時間勤務者と同一、正規雇用契約のまま多様な勤務時間を受け入れています。
    今年度の短時間勤務者は、8時間週4日勤務から1時間週3日勤務まで多様性を維持し、人数は13人と、年度末職員総数33人の39.4%を占めるに至りました。利用者のニーズに対応するため、日々の稼働職員確保は事業展開の必須条件ですが、サービス提供に従事する職員側の事情にも配慮が必要であり、今後も仕事と生活のバランスを重視していく方針です。